とある美術教師の制作日記

絵の制作や教育のことなんかのつぶやき

教員採用試験2次試験で10回落ちた話

と言っても、1次試験も合わせると14回(14年)も落ちている。

 

今日は、僕の住む県の2次試験1日目が実施されている。だからこの話題を書いてみようと思う。

1次試験は、一般教養(今は廃止。幅広い教科の知識)、教職教養(教育に関する法律や心理学、知識等)、専門教養(美術の知識技能、授業について)、実技試験

2次試験は教科の小論文、集団討論(今は廃止)、模擬授業(今は高校はなし)、面接2回。

 

初めて受験した時は、学校で働いていなかった(予備校代々木ゼミナール代々木校の教務科でパートをしていた)。おかげで受験勉強に集中して取り組むことでき、2次試験まで進んだ。

初日の小論文(60分で1500字程度)は苦手で半分しか書けなかった。

模擬授業は、当時、まずテーマを与えられ、15分で授業内容を考え、15分授業を行う。試験官が2人いる前で授業を行う。

しかし、教育実習でしか、授業の経験がなく、緊張で慌てて授業を進め、10分でネタがつきた。沈黙の5分間となってしまった。その間と言ったら、試験官と気まずさの極みだった。何倍にも時間が感じられた。

模擬授業が終わったらすぐにその教室において面接で模擬授業の感想を最初に聞かれて

「現場に出て修行してきます!」

と元気よく答えたものの、それから15年間も採用されないとは考えてなかった…

 

ちなみに僕は、小論文の文書力がなく、模擬授業は演技が苦手、面接は緊張し、早口で話が長く、内容が曲がる、集団討論も話を合わせるのが苦手と、良いところなしで、2次試験では何度も最下位を取った。

 

人前で話すと極度に緊張すること、

2次試験まで来ると、他の受験生が上手で模擬授業で演技することや、集団討論で自分を良い人に見せる姿に嫌気があった。

2次試験は、人物試験なので落ちると人格を否定されているみたいで、本当に落ち込んだ。最下位を取ると特に。お前は教師に向いてないって言われているように感じた。

僕の場合はそのうちひっくり返って、試験官が諦めるまで頑張ろうとなったのが良かった(この発想も美術をやっていて良かったこと)。

実際、同僚の中では何人も教師を諦めて、完全に連絡が取れなくなった人がいる。

妻も合格した最後の年は、落ちたら「採用試験を受けるのをもう止めたら(講師のままで)」と言うつもりだったらしい。

教員採用試験は3倍以上ないと教師の質を保てないというが、あとの2倍の人は諦めろというのか、とも思う。

 

15年間、色々と工夫しながら力をつけて合格にこぎつけた。

僕は6年ぶりに高校美術の募集(ない年は中学校を受けた)があり、1人募集に9人が受験し、合格した。昔は2次試験の倍率は2倍だったけど、合格の年は6倍だった。

だから生徒たちには、採用試験を乗り越えた経験を話し、

努力は裏切らない。必ず何らかの形で自分の力として戻ってくる

と話をしている。それは人生の先輩として自信を持って言えることだから。

もし、教員採用試験を受けていて結果が出なくて落ち込んでいる人も、僕みたいな人もいるんだと思って、頑張ってほしい。

 

今は遠回りしたおかげでだいぶ他の先生たちよりも余裕を持って臨めている。

レポート、推薦書、調査書なんかの文書も書けるようになり、管理職から赤ペンを入れられず、返って来ることもあるようになった。

向いている、向いてないなんて、言い訳だったんだなと思う。


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ということで、今日は子どもを連れてブルーベリー狩りに行った。

採用試験の2次試験まで行くと夏休みが5日くらいしかない。だいたい8月24日くらいまである。対策を11年もしていると家族をどこにも連れて行くことはできなかった。そのお返し(罪滅ぼし?)に子どもを遊びに連れて行く。

 

ブドウ狩りやなし狩りは、食べきれないので何個も取ることはできないが、イチゴとブルーベリーは子どもたちも、好きなだけ取って手軽に食べることができる。

御船町の吉無田高原に「緑の駅」という店があり、そこでブルーベリー狩りができる。

今回で2回目、そこで働くおばあちゃんたちが優しい。

大人500円、子ども300円

持ち帰り100グラム100円。

粒が大きくて甘く、しかも持ち帰り料が安い。しかも色々とまけてくれた。

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3.5キロ取ったので、家に帰ってジャムを作った。明日はブルーベリーレアチーズケーキを作ろうと思う、子どもの活動として。

料理するようになったのも美術のおかげ。

材料を絵にするか、料理にするかの差。でも完成図が見えている分、料理の方がしやすい。


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今日は絵を描けなかったので、初日の絵。

今はF120号(193×130cm)の絵をアクリル絵の具で描いている。途中からは油絵の具で仕上げていく。

アクリルの上からは油絵の具を載せることができる。あと、アクリル絵の具は油絵の具と比べると描き込みが弱く、色が浅いと感じているためだ。

明日は早朝に頑張ろう。