とある美術教師の制作日記

絵の制作や教育のことなんかのつぶやき

美術受験での胴着の着こなし

今、甲子園で高校生が熱戦を行っている。
よく、胴着の着こなしで実力がわかるという言葉がある。
強豪校はユニフォームがピッタリと合い、古いデザインのユニフォームでも伝統校のオーラを感じる。
対戦相手はその姿を見て戦う前に既にビビって何点かビハインドがあるというやつだ。

教員採用試験のネタついでに思い出したのだが、美術の教員採用試験や大学入試でも同じようなことが起きる。
どちらかというと逆バージョンが多い。
例えば、受験でメジャーな鉛筆はドイツ製のステッドラー社のマルスモグラフの青い鉛筆だ。
よくドラマとかで使われるので見たことがあるはずだ。これはスタッフが選んでいる。一本170円はする鉛筆だ。
また、日本製では、三菱のHi-uniがメジャーだ。
これらの高級な鉛筆は鉛筆特有の塗り後が銀光りしにくく、安定した黒みが出やすく、粒子の細かさなどを感じる。
百円ショップの鉛筆は、銀光りしやすく、木が削りにくく、物によっては芯がど真ん中にないものもある(ある意味すごいが)。
大学受験ではその鉛筆を使っているか、何本持っているかで予備校に通っていたり、受験指導を受けていたりしているのかを図ることができる。デッサンの枚数を描いている人は、削る手間を惜しんで同じ種類の鉛筆を複数本持っているし、それらが短くなっている。

教員採用試験でもそんなことが起こる。
水彩道具を持って来るようになっているのだが、小学生が使うサクラマット水彩絵具に黄色い水入れを持って来る人(先生?)がいるのだ。
サクラマット水彩絵具は、子どもは扱い易いものの、透明性が弱く、逆に不透明性も弱い。発色も決して良いとは言えない。
透明性なら透明水彩絵具が良いし、不透明ならガッシュが良い。発色も画材のメジャーなメーカーの物がはるかに良い。アクリル系なら乾燥も早く、重ね塗りや塗り直しもしやすい。
敢えてサクラマット水彩絵具を使っても、上手く描けるなら良いのだが、そんなことはない。

実技試験は、1次試験で行われる。美術の試験が面白いのは、周りの人の作品を見ることができることだ。他の教科ならカンニングなのだが、後ろの席なら前の受験生の制作中の作品が見える。でも、真似できないのが実技系だ。
体育の実技を想像してもらえると良い。

実技試験の内容は、高校美術はテーマがあってのデッサン系。
中学美術は、モニュメント等を厚紙や粘土で作って、それを水彩画で描く系(両方評価)。
が中心である。これを3、4時間で制作するのであるが驚くことに、受験生の3分の1から半分が生徒のレベルより上手ではない。
いや、下手なのだ。この人たちは、学校で何を教えているのだろうなと見入ってしまう。
だいたいの人がどこかの学校で講師はしているはず。生徒は力が付いているのだろうかと心配する。
と言っても、1次で実技が高評価でも、人物評価の2次で落とされ続けた僕ですがっ。
実技系なので基本的には生徒にリードしておきたい。もちろん、生徒はたまに教師を超える凄い作品を作るのが美術の面白いところだけど。

さて、昨日のブルーベリーは、

レアチーズケーキとジャム(上にかかっている)になりました。今は晩成型のシーズンらしいので楽しんでほしいです。
でも、食べると

こうなります。

娘が初、僕の部屋で絵を描きました(夏休みの宿題)。今までは来て、道具を使いたがり、邪魔をしてしまうので、起きている時間には絵を描けなかった。

これからは僕の描く時間も長くなるかなと期待。


ちなみに早朝に描いた分。間違い探しのレベル。