とある美術教師の制作日記

絵の制作や教育のことなんかのつぶやき

ウルトラマンはちょっと悲しいヒューマンドラマ

ネタバレではない。シンウルトラマンを見た。

絵を描きながら、アマゾンプライムでやっていたので見てみた。

 

生徒たちから映画館で見て、面白いとは聞いていた。

どうなんだろうなぁ、と思いながら見ていたけど、結果、面白かった。

初期のウルトラマンと現代的なウルトラマンの融合(どちらかというと昔より)。

曲などは昔の雰囲気を残しながら、バンド演奏みたいな音源を再現されている。

技の音は昔のままだ。

当時なかった、怪獣との空中戦なんかは新しい要素だし、

CGなどで新しい演出もある。

僕自身も、リアルの放送を見ていた世代ではない。

子ども頃に再放送で見ていた。

子供の当時でも古さを感じていたがその話に見せられた。

 

ウルトラマンの魅力は特撮であるが、

実は怪獣と対決するまでのストーリー作りが魅力である。

だって、ウルトラマンは大きくなったらしゃべらないから。

 

その前に起こる怪獣や宇宙人による巷での事件。

科特隊みたいな対策チームと宇宙人とのやりとり。

宇宙人の、人間とは異なる独特の雰囲気づくり、

宇宙人、怪獣が指摘する、人間社会の不可思議さ、不平等さ、価値観、環境問題など。

また、宇宙人が地球上の生物に成り代わって、

宇宙からの視点で、

人間が地球にとって悪だ、有害であることを示す。

子どもながらに考えさせられる。

ただのエンターティメントではない。

 

単純な勧善懲悪で語られていないところに魅力がある。

また、映像も暗めで幸せに溢れているわけではない。

明智小五郎とか、金田一とか、そんなところのミステリーの要素も感じる。

円谷英二さんやスタッフがそんな哲学、メッセージを込めたからこそ、

ウルトラマンは今に語り継がれる名作になったのだろう。

(最近のウルトラマンは見てないからどんな感じかわからないけど)

 

昔のウルトラマン(初代周辺)を知っている人は楽しめる作品になっている。

昔を知らない人はまた違った楽しみ方ができているはず。