とある美術教師の制作日記

絵の制作や教育のことなんかのつぶやき

クラス対抗リレーの雪辱

昨日は勤める学校の体育祭。

今日は代休だ。

前日が雨だったため、グラウンド整備のため、スタートが遅れた。

 

体育祭は、各団で優勝を争うのだが、担任としてはもう一つ関門がある。

それはクラス対抗リレーだ。

クラスで足の速い生徒が代表に選ばれ、アンカーが担任の先生だ。

どこの学校でも大体ある種目だ。

若い先生やスポーツの得意な先生にはエネルギーあふれる姿を

生徒、保護者、先生たちにアピールでき、良い種目だ。

しかし、年齢が上がってくると担任にはきつい種目だ。

年齢を実感する。

 

中には気持ちに体が追いつかず、すっ転ぶ先生もいるし、

肉離れや怪我をする先生もいる。

僕も30代すぐに運動会の練習の初日くらいでいきなり、肉離れした。

カーブに入った途端、プリンとふくらはぎの筋が切れた。

支援学校に勤めていた時で、生徒たちにその日は車椅子を押して支援してもらった。

次の日から松葉杖生活。

 

担任の先生には、プレッシャーのかかる競技である。

だから、安全策をとって若い副担任の先生に代理で走り、

ゴール前で担任がバトンをもらってゴールするなど、工夫している。

僕としては運動が苦手な生徒の手本のためにも、

年を食っていても、一人で走り切りたい。

できれば転ぶなど、無様な姿ではなく。

昨年度は1年生の担任で、自分の前の選手と隣のクラスの選手が

同時に走ってきてバトンパスとなり、担任同士のアンカー対決となった。

年齢が近いサッカー部の顧問の先生と対決になった。

あんまり変わらないだろうと思って走っていたが、

運動場半周150m走っていたら差がついて追いつけない。

それどころか、後半になると足の筋肉が弱く、

体が沈み込んで上がらない感覚が出てくる。

10〜20m差をつけられて完敗した。

その後、話をしたら、その先生も、負けられないと

サッカーのスパイクを履いていたそうだ。

(別に仲は悪いわけではない)

生徒は残念がっていたので(得点種目でないし、ひどい言いようではない)、

得点種目でないにしろ、まぁ、担任の心には無念が残ったわけである。

 

そこで次回は、リベンジを誓い、水面下で着々と準備を進めていた。

(でも、生徒に宣言してやっているので水面下ではない)

まずは、靴選びから始めた。

かといって、サッカースパイクを買うのはその先生を意識しており、

また、サッカーをしてないのに履くのはカッコ悪い。

そこで色々、調べていくと普段はランニングシューズを履いているけれど、

これって基本、長距離用なので軽いけど、グリップ力が弱い。

(グリップ力が強いと長距離では疲れてしまう)

調べていくと短距離用のシューズがあるのを知った。

短距離用は陸上部など、専門にやっている人向けになるのであまり種類がない。

スパイクまではないけれど、樹脂製の靴底でグリップがある程度強い。

25,000円するのでどうしようかなぁ、このために買うの高いなぁと思って、

ネット中を探していたのだけれど、なかなか安くない。(氷河期世代なのでケチ)

で近所のスポーツ用品店を回っていたら、

たまたま、運命か、型落ちがあり、8,000円で購入できた。

 

次は短距離の筋肉作りに励んだ(ボチボチ)。

僕はどちらかというと長距離型なので、瞬発力をつける必要があった。

子供と一緒に練習に取り組んだ(子どもはおまけ)。

ラダーを買って足捌きを練習した(年食うと何故か、足がもつれる)。

また、ダッシュの練習をしたり、

短距離走の本を買って、それに合わせてももを中心に筋力トレーニング(そこそこ)を行った。

休日の寮当番の日は、早朝か日暮れに、誰もいない運動場でダイエットも合わせ、

走り込みをした。

 

そんな感じで4月までは順調にきていたが、

ゴールデンウィークは雨が続き、トレーニングもできず、家で美味しいものを食べ、

体重も過去最高クラスまでアップしていた。(少しは筋肉ついた分もあった?)

それで迎えた体育祭だった。

生徒にはリベンジするんだと豪語していたので、

走る前は、最近の衰え具合が読めず、不安で緊張した。

スタートしてみると、予想外に3位くらいで推移している。

(僕の戦力分析予想だと、うちのクラスはもっと余裕あると思っていたけが)

それでも生徒たちはジリジリと順位を上げ、

なんとか、1位で僕にバトンパスした。

この順位で逃げ切るために必死に走った。

後を一度も振り返らなかったのでどれくらい、2位との差があったか

わからないけど、なんとか1位でゴールテープを切ることができた。

 

実のところ、短距離で1位を切ったことは人生で初めて。

長く生きて頑張っているといいことあるなと思う。(生徒のおかげ)

ちなみにライバル視(仲は良い)していたサッカー部の先生は、今年、この学年にいなかった。

みんな、先生たち、同じ年齢くらいだったけど、あんまり走れなかった。

40代にもなると、体力を維持して頑張っていると、

周りが勝手に落ちてくれるので自然と繰り上がる。

走った後、全然、疲れがなく、接戦にならず、余裕だったのかな?

もっと走れたんじゃ?という気持ちが心に溢れていた。

勝者の寂しい憂鬱感があった・・・

 

そんなことはありませんね。

夕方には足の痛みがしっかり出て年齢を感じた・・・

変な場所の筋肉がつりそうだった。