とある美術教師の制作日記

絵の制作や教育のことなんかのつぶやき

睡眠時間が少ないことをアピールする人は大したことない。

というか、その大したことのない人は、僕のことですが。

やっと忙しさの山を越えたのでブログできる余裕が出てきました。

 

ちょっと前に読んだ本をきっかけに始めたブログですが、

「どんなに忙しい人でも一日15分は捻出できるはず」

と書いてありました。なかなか凡人には難しい。

 

芸術の秋というように美術の先生にとって2学期は忙しい。

①高校美術展といって高校美術部の大きなコンクールがある。

 (運動部の高校総体のようなもの。代表は全国、九州大会に出る。

  2、3ヶ月は制作期間がいる)

②学校の文化祭(クラスの出し物)準備

③自分自身のコンクール出品

という感じでこれが10月前後に集中する。

 

①高校美術展

高校美術展には、美術科や美術コースのある学校が本気で力を入れて取り組んでくる。

高校の美術部の作品が同じ土台で競われるからだ。

しかし、普通の高校の美術部には温度差がある。

最近はコロナの影響で普通の高校の美術部では、温度が冷め気味である。

 

うちの高校も例外ではないけど、一年生が少し熱を持つことができてきた。

嬉しいことに、なんとか、全九州総文祭に県代表として選出されることができた。

ありがたい。この熱を今後に繋げて行きたい。

また、賞には選ばれなかったものの、もう一人の生徒が、

本当に2ヶ月間コツコツと制作を頑張り、締め切り前日も

10時間も制作に励んでいた。

「例え、賞に入らなくても、これだけ良い出来になったので満足感でいっぱいです」

と言ってくれた。それだけで教師としては幸せだ。

僕は別に美術に進んでくれなくても良いと思っている。

美術部を通して、何かに打ち込む力や、試行錯誤して何かを作り上げる力を

育成して行きたいと考えている。

そのような力を育成できれば、社会に出て、どんな道に進んでも簡単に潰れることはない。

勉強が苦手な生徒でも美術であれば、幅広い分野で、何かに合うものに出会うことができる。

そんな子どもの心の種に発芽を促せたことが今回の大きな収穫である。

これをあと2年間で大きく育てたい。

でも、うまく行っていたら、2年後には自分で勝手に走り出している。

そこが美術部の良いところである。

ただ、締切日(10月30日)は、制作の追い込みと、審査の係で準備にも追われ、

2時間しか寝ることができなかった。

 

②学校の文化祭のクラスの出し物

僕は学校行事を大事にしない担任は、良くない(ダメ)だと考えている。

一番、クラスの団結力を高め、それぞれを輝かせる良い機会だと考えている。

だから、文化祭の出し物も全力だ。

 

今年は、劇をすることを生徒が選んだ。

運動部とか、部活動の生徒もいるので、映像に撮って、

編集し、当日は上映することに決めた。

文化祭のクラスの出し物のマズイ点は一部の生徒が残り、

頑張っている生徒と何もしていない生徒に分かれることだ。

この時期は、運動部も大会が多く、なかなか放課後に残れない。

だから、放課後にあまり束縛がないように撮影するようにした。

ステージでの劇だと完璧に仕上げるためには何倍も時間がかかる。

昨日、映像の締切だったが、それまでのロングホームルームは

わずか2時間しかなかった。しかも初日は始業式。

あんまり、時間をくれなさすぎなので後で苦情を言いたい。

 

また、1年生なので具体的にどう作っていくか、劇のイメージがない。

ここは教師がリードしないといけない。

フェルトを買ってきて、裁縫して衣装を1点を作って見せると生徒たちの目の色が変わる。

どんどん真似して制作するし、衣装でイメージできるのでやりたいことが膨らんでくる。

そして、生徒に大役者が出てくると乗ってくる。

今回は大女優が誕生してくれた。

その演技が面白すぎて、僕も吹き出し、NGとなり、生徒から

先生、あっちに言っててくださいと言われるほどだった。

生徒がイキイキして喜んで騒ぎすぎて、他の先生から注意されたぐらいだ。

そんなにハマってできたのが素晴らしい。

生徒がクラス替えやめましょう。来年もこのクラスで修学旅行行きましょう。

と言ってくれた。

 

11月2日まででなんとか、撮影し、3日に完徹で僕が編集し、昨日提出することができた。

スケジュールがタイトすぎて、生徒に編集を託せなかった。

コンクール形式にもなるらしいので、一番を目指せる作品になったと思う。

生徒とみんなで楽しんだ作品ができた。

これを参考にして、来年は自分たちでもっとできるはず。

行事は馬鹿になって取り組んだ人が勝ちだ。

クールに引いていても良いことはない。

思い出はお膳立てしてもらうものではない、自分たちで作るものだ、が僕の考え。

この編集に凝ったのもあるが、3日の夜は1秒も寝ることができなかった。

でも名作ができたと思う。

 

③自分のコンクールの出品

10月は3点出品した。

2つはコンクールで、1点は以前の勤務校の周年記念展覧会の旧職員展示で

出品した。

まぁ、ここにしわ寄せが来たのか、コンクールは入選止まりだった。

絵のテーマを変えないといけないかなと考えさせられた。

まぁ、そんな感じの10月でした。

僕の絵も賞に入るとまぁまぁ、完璧だったのだが。

 

今週は2日は合わせて2時間しか寝ることができていない1週間でした。

睡眠時間が少ないことと、忙しいをアピールをする人は

大したことがない人と、僕は考えているのだが、

それからは抜けられないなぁと反省する。

それをすましてできる人になりたい、そんな人はできる人。