とある美術教師の制作日記

絵の制作や教育のことなんかのつぶやき

俺たちはこの4年間〜クラスマッチ

昨日、終業式で、その前日がクラスマッチだった。

最近、寒くて体力使って、更新が週末になっている。

 

クラスマッチはクラスの結束を高めるの大事な機会である。

勝ち負けはあまり関係ない。

勝っても上の大会に勝ち進めるわけでもないし、

企業や大学から推薦の声がかかるわけでもない。

 

でも、クラス運営には大事だと考えている。

僕はあんまり運動ができない、特に球技が。

それでも僕も混ざっていく。生徒もチームのメンバーに入れているので。

特に僕は、教科が美術という関係上、

クラスの生徒の一部しか授業で見ることができない。

芸術は選択科目であり、美術、音楽、書道に分かれてしまう。

ロングホームルームと総合的な探究の時間という学習と

毎日のクラス活動以外は関われない。

国語、数学、英語の先生はほぼ毎日関われて良いと思う。

 

だから、できるだけ行事のように生徒と関わる時間を大事にしている。

小学生みたいだけれど、それは高校生でも変わらない。

仲の良いクラスになろうとクラス目標に掲げている。

まず、担任が愛情をかけないと説得力がない。

別に担任から出なくても良いのだけれど、

誰からか大切にされるから、人を大切にできると考えている。

 

前日にもちょうど体育が授業の空き時間だったので、

一緒に今回の種目であるバスケットボールの練習に参加した。

あまり運動しない40代にマスクをつけてのバスケットボールはきつい。

3分半の出場時間で息がゼイゼイである。

もう攻めずに、ゴールを中心にコート自陣の守りに徹することに決めた。

で、一人の生徒がクラスマッチの日にコンクールで

来れないことが決まっており、

生徒たちはその子を選手にはなれないから監督と呼んでいた。

で、ふと思いついて、その子が教室掃除だったので

おい、監督からの応援メッセージを撮影しようぜと1分ほど撮影した。

 

家でNHKのサッカーのワールドカップのテーマソング「Stardom」を購入し、

BGMとしてつけ、編集した。

その監督の映像にクラスマッチ2022 日本代表監督〇〇の

テロップを表示するようにした。

また、応援のメッセージの後にある文章をつけて、曲が盛り上がるようにした。

クラスマッチ当日のクラスでのショートホームルームで

「今日は監督からメッセージがあるテレビに集中」

とみんなで見る。

サッカーのテーマソングと監督の応援メッセージにみんな喜ぶ。

曲の盛り上がりと共に

「俺たちは厳しい予選を勝ち抜いてきた」

「世界215の国・地域の頂点まで、あと一歩」

「優勝を目指して頑張ろう!」

この曲の歌詞のサビが「あと一歩」である、

生徒の笑い声と共に盛り上がる。

そこで曲が流れながら僕が

「俺たちはこの日のために4年間、〜」という、

ワールドカップの日本代表のノリで嘘話をした。

 

こんなことを思いついて行動できるのは美術のおかげ。

僕も昔はそんなキャラじゃなかったのに。

人を楽しませることは美術の力。

そして映像のように小道具を合わせられるのも美術の力。

決して絵を描く、物を作ることだけが美術の力ではないと思う。

いろんな場面で美術の力は発揮できる。

 

試合前には、生徒たちが

「先生、全員で円陣を組みましょう」と提案した。

みんなで優勝するぞ!と盛り上がる。

試合自体はクラスが3クラスしかないので、

総当たりで2試合しかない。

でも、1試合目から接戦で第一、第二クォーターが同点で盛り上がった。

何とか、競り勝った。2試合目はさらに動きが良くなり勝つことができ、

優勝することができた。

 

もちろん、運動が苦手な子もいるが(僕も)、

それぞれが役割を果たせば良いのだ。

一生懸命にやっている人に誰も文句は言わない。

野次なんて出ないし、一点ごとに歓声が上がる。

あまりの盛り上がりに隣のコートの他学年が、驚いていた。

 

バスケットボール部の子たちが偉かったのは、俺が俺がと前に出ず、

クラスのみんなをうまく活躍させていた。

ここぞと言うときは、ポイントを押さえて自分で攻めていた。

優勝できたけど、何よりもクラスの一体感が大切だ。

良いクラスになってきたなと思う。

行事は楽しんだ者勝ち。そこに金メダル。