とある美術教師の制作日記

絵の制作や教育のことなんかのつぶやき

40代からのライフシフト

40代になるとみんなこのままの自分の生活、仕事のスタイルで良いのか、悩むそうだ。

ちょっと前にリスキリングという学び直しの用語が話題になった。

アメリカでは、自動車が電気自動車になることで必要な部品の数が3分の1に減り、

雇用が減る労働者にデジタル活用人材として学び直しを図り、

新しい時代に適応できる人材と育てる計画があるらしい。

色々調べていると、40代はこれからの生き方に疑問を感じる時期らしく、

それに関する本が何冊も出ており、4冊ほど読んでみた。

 

教員採用試験を15回受けてやっと合格して、4年目が終わろうとしている。

今まで美術コースのある高校ばかりで何かと忙しかったけど、

普通の高校にやってきたこと、担任として2、3、1年生の順でひと回りでき、

自分の教師としてのスタイルが見えてきて、少し余裕が出てきた。

 

そんな中でふと、今の自分の絵の姿勢はこのままで良いのかと疑問が出てきた。

もっと上手になりたい、

もっといろんな人に作品を見てもらいたいという思いが出てきた。

(先生は続けるけど)

教え子たちが高校時代に成長して、

次のステージでさらに成長して頑張っている姿に羨ましさがある。

このままのスタイルで別にやれないことはない。教師としても。

でも・・・・

以前も書いたが

悩んでいるときに、ふと、通信制の大学院の広告がスマホに上がっていた。

私立の方の京都芸術大学。完全通信制の、芸術に関する大学院。

今年度から、開講するとのことで、

通ってもそんなに自分が変わるわけではないかもしれないが、

これも何かの縁と申し込んだ。

 

実は、僕は大学生の時に自分の大学の大学院に受験し、合格していた。

大学に入学した時から、大学院に行くつもりだったが、

4年生の時に色々と疑問が浮かんできた。

同じ大学で6年間も学ぶ必要があるのか?

特に2つ上の先輩たちがみんな東京の方に出ていくのを見て、

自分もそんな風に東京に出たくなった。

実際に僕は大学院に1日も行かず、東京に出て、生活のためのバイトに追われて、

絵がほとんど描けなかったが。

で、中退した。

 

志望理由や研究テーマ、作品ファイルなどをつけて、出願していた。

それが先週の3月8日に合格発表が出て、510人ほど出願して、370人くらいが合格だった。

申し込んだ人の多さに驚いたが、4人に1人くらい不合格者も出ていたのにも驚いた。

20年ほど前よりも、画力も上がったし、知識も増え、文章を書く力も伸びたので、

今の力なら以前よりも意味のある大学院生活を送れると思う。

何よりも、今の新しい美術について学ぶこと、

同じような目標を持つ年代の広い学生たちと意見を交わすこと、

大学の先生に教えを乞うことなどを通して、自分をアップデートしていきたい。

この2年は仕事と並行で忙しくなると思うけれど、価値ある時間にしていきたい。

 

その話を美術準備室に来ていた社会の40代の先生にしていたら

その先生も思うところがあり、40代からの〜の本を読みたいと言ったので貸した。

それと、たまたま図書館で面白半分で借りていた本を見せた。

こんな一面もあるよねと「僕らはガンダムのジムである」という本。

「今の自分じゃ嫌だ〜」という面と結局は「一部の天才と僕ら大多数」という面。

*ジムはガンダムのやられ役。将棋でいうと歩。

社会の先生は笑いながら

「たまには赤いのに(シャア専用の)乗りたいですよね」と返してきた。