とある美術教師の制作日記

絵の制作や教育のことなんかのつぶやき

教職は白か黒か

一日中、休みの日に寮当番をしながら、授業の準備など、仕事を裁きつつ、考える。

このブログには、あまりマイナスのことは書かないことにしているが・・・

最近、教員の働き過ぎの話題がニュースに出る。

定額働かせ放題とか、過労死ラインとか。

それを取り上げてもらうのは、ありがたいことだ。

一時期は働き方改革が話題になっていたが、コロナ禍であんまり言われなくなった。

一人一台端末のおかげで家にいても仕事ができるようになり、生徒に課題を出したり、採点したり、個別に指導ができるようになったりした。

おかげで見えない残業が増えている。

でも、働き過ぎが取り上げられているだけでもありがたい。

 

でも、考えてみると世の中に完全にホワイトの仕事はないんじゃないか。

教員よりも省庁で働いている公務員の方がよっぽど、黒いだろうし、

一般企業で働かれている人も、定時で上がれる人はほとんどいないと思う。

12時間以上働いている職業ももちろんあるだろう。

それに残業に合わせて、しっかりと手当がついているかなんて限らない。

よほど、一日きっちり3交代制でもなければ、定時には終わることはできない。

 

ただ、一度、教職に就くことを諦めて、派遣社員をした事がある。

正社員ではないので、的はずれているかもしれないが・・・

ある時、仕事を終えて、そこの社員さんに誘われてビリヤードに行った。

その時に、勤務時間を終えると完全に仕事から切ることができることに驚いた。

(正社員は電話がかかって来たら仕事と繋がってしまうが)

勤務時間が終えると、どこで何の仕事をしているのか、わからない人に成れる。

人の中に埋もれられる印象だ。

 

でも、教師は、勤務時間以外でも教師だ。

どこで見られても教師としての言動を求められるし、飲みに行っていても教師としての言動を求められる。

教師は1年に顔見知りが、数百人も増える。

相手がそう見てなくても、教師の姿を意識することが求められる。

派遣社員をしている時は、そのオフが気楽で衝撃的に新鮮だった。

 

でも、やっぱり、僕は学校現場に戻ってきた。

 

僕はブラック企業やブラックな仕事という言葉は好きではない。

その仕事が、その人にとって、ブラックなのかどうかは、

結局、その仕事が好きか、そこを踏まえて耐えれるか、向いているのかなのだと考える。

もちろん、命を落としてまで、病気をしてまで働く義理も、必要もない。

でも専門職になればなるほど、代わりは効かないというのはある。

 

美術教師といっても、美術を教えていれば良いわけではない。

担任、生徒指導、進路指導、いろんな雑用や書類仕事、やったことのない運動部を持たされたりと色々ある。

美術も自分の専門の油絵だけでなく、立体やデザイン、美術史など、大学であまり学ばなかったことを現場で勉強して教えなくてはならない。

 

別にブラックを容認しているわけではないけど、そんな白い仕事も基本的にはない。

きついことを含めて、本人が仕事として受け入れられるかどうかなんだと思う。

そんな中で選んだ仕事が、この仕事。

 

この寮当番は最低賃金

修学旅行と同じで就寝時間は賃金はつかないし、ご飯代もつかない(ご飯は出ない)。

かといって、家に帰って、泊まらないわけにはいかないし、

朝からも点呼も送り出しも行わなくてはならない。

生徒は可愛いいのだけれども、まぁ、学校の旧来のシステムに課題が・・・

まぁ、グレーだね。