アニメで1本を押すとしたらこのアニメだ。
最近、アニメ、マンガの話が多いな・・・
この前、NHKのうたコンで最後にマクロスフロンティアの「ライオン」という、
オープニング曲を歌っていた。
鬼滅の刃とかでもない限り、
アニメのしかも15年前の曲が生放送で歌われることはない。
それをたまたま妻と見ていた。
妻は曲を聴いて火がつき、マクロスフロンティアのメドレーを
イヤホンで聴きながら仕事をしたり、
車でBluetoothに飛ばして通勤中に聞くようになった。
それが昨日、僕が感染した。
まぁ、もともとは10年以上前に同勤した若い先生が、
マクロスフロンティアは名作なのでぜひ見てほしいとゴリ押ししてきた。
僕は初代のマクロスもあんまり見たことがなく、
子どもの頃にやっていたマクロス7も、子どもながらに途中で挫折していたので
あんまり興味を持ってなかった。
その10年以上前に勧められてマクロスフロンティアを妻と見て、
その作品の完成度に驚いた。
マクロス自体は、地球から移民船団で移住惑星を探しながら旅する話で、
航海の途中で宇宙人や宇宙生物が攻めてくる話だ。
それをロボットに変形する戦闘機で戦うアニメだ。
ただのロボットアニメでないところは、歌を大きな鍵として絡ませているところだ。
第一作では、攻めてくる宇宙人が歌を聴くと戦う気持ちが収まるという設定だった。
歌が平和の鍵になっている。
また全作に共通するのが、主人公である男性パイロットと女性の三角関係だ。
このマクロスフロンティアは、その女性が2人とも歌手である。
一人は登場当初から大物ミュージシャン、
もう一人は一般人から歌手として育っていく。
その中で数十曲もの、二人が歌う歌が出てくるのだが、
それがどの曲も完成度が高く、印象に残る。
曲の幅も広く、歌詞も日本語と英語を織り交ぜながら他のアニメソングと一線を画す。もうダメだ、語彙力がない、表現しきれない。
ライオンという曲は二人の違うタイプの歌声が絡み合って歌う曲で
音楽プロデューサーの力の凄さを実感する。
ストーリーも良く、キャラクター性格づけがしっかりされていて、
どのキャラも際立っている。
この間、村上春樹さんの本を読んでいて(聴いて)、良い話だな何となくと思っていた。
その次に今、ランキング上位のユーチューバーもしているような作家さんの小説を読んだら、表現力の違いに驚かされた。
村上春樹さんの登場人物になると人間の内面の深さが違う。
悪い人もそうせざるを得なかった闇の部分とか、良心とのせめぎ合いとか、それを乗り越えて割り切っているとか、複雑なんだけれども、村上さんの表現力で
他の登場人物と絡まることなく、複雑な個性が、
スムーズにそれぞれのキャラクターの個性として読み手に伝わってくる。
それが表現力のない作家さんの場合は、
表現力、語彙力の差で悪い人は単純に悪い、良い人は単純に良い人にしないと
表現できない。そんなところが結局は設定、
ストーリーなどの単純さに繋がっている気がする。
マンガとか、ドラマとかでもキャラクターの個性付けが弱く、
このキャラクターのいる意味がわからなかったり、
他のキャラとかぶっていたり、これって誰だっけなんてものもある。
そのキャラクターの描き分けもマクロスフロンティアは凄い。
船団中心の狭い世界観のはずなんだけれど、それを補っている。
戦闘シーンもスピード感に溢れ、キレが良い。
第一作の当時は、トップガンが流行っていたのか、
それを彷彿させるドッグファイトが魅力だ。
ロボットや戦闘機などの出てくるアニメの良さはスピード感の変化の面白さだと思う。
人間同士の話だと、心理戦が中心となって、激しい動きではなくなりやすい。
戦闘機からのミサイルの飛び方が板野サーカスといって複雑な軌道で飛んでいく姿がカッコ良く、それから逃げるドッグファイトも素晴らしい。
良いところを挙げるとキリがない。
ファンの人にはくどい話をつらつらと並べました。
そのキャラと話と映像が合わさって、歌の素晴らしさを際立たせている。
それをNHKの番組で大トリで歌わせているくらいのものだ。
ちょっとだけ、僕もAudibleの読書を止めて、浸ろうかなと思う。
見たことのない人は、ぜひ一度は見てほしいです。
テレビ版は25話?
映画でリメイクして2話あります。映画からでも良いです。
アニメ史に残る名作だと思います。
ちょっとバジラという宇宙生物との戦いが影があるのだけれど。
ジブリとは別世界の作品なので比べることはできませんが。
他のマクロスの作品も見たけれど、この作品がダントツ。
高校生くらいの心のやり取りに耐えることができる人は楽しんで見れます。
歌と共に楽しんでもらえたら。