とある美術教師の制作日記

絵の制作や教育のことなんかのつぶやき

両腕まくら

だいたいうちでは、休みの日曜日には昼寝をする。

もう、年なのか、休みになると平日の緊張感が弛み、一気にやる気がなくなる。

だいたい、土曜日にお出かけして、日曜日は月曜からのための買い出しに行き、昼ご飯を食べて、昼寝をする流れだ。

ただ、小3と小1の子どもは寝ない。

保育園と違い、昼寝のない生活に慣れてきており、寝ない。

バタバタ遊ぼうとする。

 

そこで昼寝をしたら、おやつと誘い、両腕まくらに誘い込む。

と言っても子どもから来る。

こんなことも今のうちだろう。

どこの親御さんもそうなのかもしれないが、始めのうちはバタバタしていた子どももいつの間にか寝てしまうのだ。

う~ん、我ながらすごい破壊力。

 

でも、これって考えてみるとスキンシップや愛情から来る安心感なんだと思う。

学校現場で働くようになって思うことは、愛情不足の子どもが多いことだ。

勉強ができる子、できない子、しっかりした子、してない子、手がかかる子、普通の子、関係ない。

愛情をかけて行くと表情が弛み、人にも優しくでき、成長していく。

それは高いものを買ってあげるとか、物を持っているとかではない。

愛情、関わりの頻度なのだ。

生徒にスキンシップはできないけど。

しっかりと向かい合い、関わって愛情を注いでいくとそれが溢れ出す。

そうすると余裕が出て来て、変わり出す。

だいたいの課題は解決するし、余裕が出ると前に向かって歩き出す。

 

今は保護者も忙しく、共働きで子どもと関わる時間が少なくなっている。

教師自身も忙しさで生徒とか関わる時間が減っている。

 

学校現場に初めて勤めた時に、体育の生徒指導の先生と組んだ。

その先生は生徒をよく叱るのだが、卒業式になると一番お世話になった先生としてその先生の名前があがる人だった。

僕には何でどうしてだろう。僕にはできないと思っていた。

その時はわからなかった。

 

後になって、その先生は、罪を叱って、生徒自身を憎んでいないことがわかった。

その子のために愛情をもって叱っていたのだ。

だからその気持ちが伝わる。

僕自身も支援学校で言葉が話せず、器物破損や暴力を行う、学校一課題のある生徒を担任したことがあった。

僕はその子を見たときにこの子は愛情不足だなと感じた。

暴力や器物破損をするので人が依りつかないのだ。

教師にしても専門的に学んできたほど、刺激したり、エスカレートするのを避け、反応しないようにしていた。

でも、僕はそれでは社会に出てこの子は生きていけないと真っ向から関わった。

良くないことをした時は叱り、良いことをしたら褒めた。

少しずつその子も笑顔が増え、みんなと居ることができるようになった。

そうすると周りのみんなが関わり、笑顔になった。

 

その子を通して、愛情のかけ方を学ばせてもらった。

それがなかったら、教師を続けられなかったかもしれない。

その経験が普通高校に勤めるようになって、今も役立っている。

あの恩師である体育の先生に近づけたような気がする。

 

ちなみに今、両腕まくらで子どもに足もロックされ、身動きが取れず、

これを書いている。