とある美術教師の制作日記

絵の制作や教育のことなんかのつぶやき

油絵具とアクリル絵の具の違い

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コンクール締め切り1週間前!

あんまり、変わってないように見えるけど、油絵の具に入っている。

 

僕はアクリル絵の具と油絵の具を併用している。

アクリル絵の具の乾いた上からであれば、油絵の具で描くことができる。

本来は、油絵の具だけで描いても良いのだけれど、

時間短縮のためにアクリル絵の具である程度、描いてから、油絵の具で仕上げるスタイルを取っている。

 

どうしてアクリル絵の具だけでは、駄目かというと、

色が浅く、造形性に乏しく、細部を描写しにくい。また、水で薄めすぎると垂れてきやすい(寝かせて描くと良いが)。

立体感や遠近感を出すことには不向きである。

もちろん、そんなことはないという人もおられると思うが、僕は表現しにくい。

一番はアクリル絵の具の色の不透明性と絵の具の厚みが影響していると考える。

アクリル絵の具は平面で、色面の強さ、コンプレッサーでスプレーのように散らすなど、扱いやすさと短時間で描く表現にはベストだと思う。

 

油絵の具は、扱いが難しく(薄めるのにも油、道具を洗うのにも一度油で洗って、水洗い)、乾燥が遅いのだが、発色、色の深みが断然違う。

しかも、同じ色でも薄めて重ねて行くだけで、表情の違いを細かく出す事ができる(アクリル絵の具では、同じ色で違いが出にくい)。

ルネサンスの芸術家たちは100層下の別の色を響かせていたらしい(昔の油絵具は水っぽかった)。

 

油絵具自体が高級な色があり、子ども用の歯みがき粉くらいの大きさで1本で4000円くらいするものもある。でも、その色がとてもキレイ。

そのせいか、薄めて垂れた感じも美しく見える(なぜかアクリル絵の具だと汚く見える)。

また、筆運びで立体感を出しやすく、細い線で表情を出しやすい。そのため、細密描写にも向いている。

 

ただ、ネックは乾燥が遅いこと。

速乾剤などを混ぜて乾燥を速めることもできるのだが、そうしないと乾燥が遅い絵具は5日かかるものもある。

乾燥期間を考え、1年前から描けば良いのだろうが、そんな人は、なかなかいないと。

少なくても僕は・・・・

 

いろいろと制約はつくが、この良さが有る限りは、油絵の具が強い地位にいるのは代わりない。

妻に、まだ未完成じゃん、間に合うの?と言われショックだった。

まぁまぁ、進んでいるとは思うのだけれど。

でも今日は、終日、寮の当番(舎監)である・・・

合間に額縁でも作ろう。今週の授業の準備も。